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平成27年度の決算討論を行いました

会派を代表して平成27年度の決算討論を行いました。
主な内容は以下の通りです。
少し長いですが、ぜひご確認ください。

【平成27年度決算・会派代表者討論】

会派「新しい議会」を代表いたしまして、平成27年度一般会計決算、並びに各特別会計決算に対し、認定の立場で討論させていただきます。

平成27年度は世界経済が足踏みをする中で、民間消費はなかなか伸びず、国立市の歳入決算額は過去最大規模となったものの、個人市民税や法人市民税は減少しました。

歳入の増加の要因は、固定資産税の伸びや、税連動交付金に因るところが大きく、これらは景気に左右されることから安定した収入に見込むことは難しいと考えます。
また、27年度の実質収支比率の改善は、26年度の1.9%に比べると、3.0%となっており格段に改善した感がありますが、これは地方消費税交付金約17億3300万円の歳入効果が大きく、27年度に限って言えば、東京26市ほとんど全ての自治体が改善しています。

国立市を見ると、順位では東京26市中下から2番目。
適正な数字と云われる3%~5%ではぎりぎりのところであり、地方消費税交付金の増加分を差し引いて考えれば、2.8%ほどに下がってしまうことから、こちらはまだ余裕のある状態とは言えず留意する必要があります。

景気に左右されず、まちの活性化を図るためにも、優良企業の誘致など、安定した財源確保が必要であると考えます。
そのような中で、故・佐藤市長はご自身が掲げた「365日24時間安心安全のまちづくり」や、社会構想としての「地域包括ケア体制の推進」、また理念をもった「まちづくり」へ、しっかりと予算を割き、施策を遂行されたと認識しています。また同時に、けっして潤沢とは言えない財政状況のなかで、様々な施策に懸命に取り組んでいただいた市行政の職員のみなさまのご努力にも敬意を表します。

決算額から見た特徴点といたしましては、
総務費では、「庁舎等維持管理に係る事業」で、26年度が、約1714万円だった電気料金を、27年度は1334万円と、
380万円以上減らしています。庁舎内の日頃の小まめな節電など、小さなことではありますが、継続して実行していることは評価に値すると考えます。

また公有財産として国立駅南口複合公共施設用地を取得して、約16億4千万円の支出がございましたが、これは土木費の
国立駅南第一自転車駐車場用地の買い戻しなどと共に、今後のまちづくりに於ける重要な拠点となる場所であり、市民のために有効な価値を生み出す財産となるよう、期待しつつ、しっかりとその運用も見定めて行く必要があると思っています。

民生費では、全国的な傾向ではありますが、生活保護費などが増加しています。そのなかでも医療扶助が大きな額を占めており、生活保護受給者の健康管理面でのサポートや、予防施策への導きなど、健康を維持していただくための取組みを合わせて行うことが必要と考えます。

商工費では、商店街活性化事業補助金やプレミアム商品券発行事業などが主な支出となっていますが、「さくらフェスティバル」や「天下市」など、市外から数十万人の集客ができるイベントがありながら、その来客を市内の個人店に誘導し、大きな経済効果を呼び起こすことに繋がっていないことは、今後の課題と言えそうです。

また「観光促進に係る事業」では、
国立市観光まちづくり協会に委託して作られた、観光や商業の活性化などに特化したポータルサイト「くにたちNAVI」や、「国立市フィルムコミッション」のサイトが、リニューアルされた国立市のホームページに直接リンクが貼られていないことが分かりました。
ドラマや映画のロケ地としてたいへん人気の高い国立市ですので、運営委託料を活かすという観点からも、市民や市外への周知を積極的に行い、国立ブランドの確立に寄与できるよう、しっかりと連携していただくことを要望いたします。

教育費ではインクルーシブ教育システム構築モデルに係る事業に於てスマイリースタッフを増員し、国立市の特別支援教育が後退することのないよう英断していただきました。これは市内の公立小中学校における全ての授業を円滑に進めるためにも、重要な取組みであり、たいせつな子どもたちを育てる国立市の教育の在り方を示したと評価できます。

また屋内運動場非構造部材耐震化工事に約1億8900万円。
第一中学校校舎外壁補修工事に約1億1,500万円などの支出がございましたが、これらは子どもの安全を守ることはもちろん、災害時には避難場所としての役目を持つ施設であることから、迅速に適切な対応をされたことと評価いたします。

国民健康保険特別会計に於ては、収納率が92.39%と、こちらも東京26市中1位となっており特別調整交付金4700万円が交付されたことなども含めてたいへん評価されるところと考えます。

しかしながら、国民健康保険税は被保険者数の減少などにより26年度に比べて4.4%の減となり、一方歳出では高額療養費等の増によって保険給付費が年々伸びています。
27年度の一般会計からの繰入金は、約13億5252万円、これは26年度に比べて33.7パーセントの増となっており、既に異常な事態であると考えます。

今定例会の議案でも国民健康保険税の課税限度額の引き上げが審議されていますが、上限の引き上げにも当然限界があり、
超高額医薬品が増える中で、保険制度自体が危ぶまれる状況にもなっています。
高額療養費の伸びを抑えるための予防医療の推進や、特定健康診査等の受診率向上など、これはもちろん国保の被保険者に限ったことではありませんが、積極的に行っていただくことと共に、市長会を通じて、国からの財政支援拡充を確実に実行することを強く要請していただくことをお願いいたします。

また、国保への繰出金のように恒常的に支出される大きな事業費を入れずに作る一般的な経常収支比率は、もはや当てにならず今後は経常的な臨時収入や支出を加えた国立市独自の判断指標を作ることも必要ではないかと考えます。

改めて決算全体を見ますと、
市税の収納率は、現年分と滞納繰越分を合わせた全体で99.3%と東京26市中最上位。全国でもトップクラスとなっており、市民の納税意識の高さと共に、収納課のたいへんなご努力があったことが伺えます。収納率の高さは市町村総合交付金の
経営努力割の増や東京都特別調整交付金の増に直結していますので、歳入面でも大きく貢献していると評価できます。

平成27年度も臨時財政対策債の借り入れを行わず、
また、当初予算では4億4800万円を取り崩す予定であった
財政調整基金の取り崩しも行われませんでした。
後年にツケを回さない財政運営をしていることは、常に不交付団体になる可能性が高い国立市としては、懸命な方策であると考えます。

国立市を未来永劫存続させるためには、他の自治体とは比較できない、独自の魅力を持つことがたいせつだと思っています。

依然として厳しい財政状況はつづいていますが、
まちづくりのビジョンを明確に描き、必要なところにはしっかりと予算建てをして、市民や、これから国立市に住むことを考えている全ての人に、明るい未来を想起させる市政運営をしていただくことを次期市長に託し、
平成27年度、一般会計歳入歳出決算及び、各特別会計歳入歳出決算につきましては、いずれも認定とさせていただきます。

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